試験の位置づけ
- 国家検定の「3級ファイナンシャル・プランニング技能士」を目指す試験。
- 実施団体は主に日本FP協会ときんざい(金融財政事情研究会)の2つ。申込先によって実技の科目名・設問傾向が少し違うのが特徴。
試験構成(学科+実技の2本立て)
- 学科:6分野の知識を横断的に問うマークシート中心。
- 実技:事例形式で“お金の相談”にどう答えるかを問う。
- 合格基準:一般に学科・実技ともに6割以上が目安(※回・団体で細部は異なることがあります)。
- ポイント:学科と実技は別判定。どちらか一方だけ合格→もう一方だけ再受験も可能。
実技科目のざっくり違い
- 日本FP協会:資産設計提案業務(個人の家計・保険・運用・税・不動産・相続をバランスよく)
- きんざい:個人資産相談業務/保険顧客資産相談業務 など(団体の色がやや強く、計算・読み取りがやや多め という印象)
※どれが“有利”というより、自分の過去問が手に入りやすい方・相性が良い方を選ぶのがコツ。
出題範囲(6分野の地図)
- ライフプランニングと資金計画
公的年金・社会保険・教育/住宅資金の目安、係数(複利・年金現価/終価)。
例:遺族年金の受給要件、ライフイベントの資金見積り、複利計算。 - リスク管理(保険)
生命保険・医療保険・損害保険の基本、保険金の税務。
例:定期/終身の違い、第三分野の給付、保険金に課される税金の種類。 - 金融資産運用
債券・株式・投資信託・外貨・NISA等の制度、リスクとリターン。
例:利回りの計算、分散投資の考え方、投信のコスト。 - タックスプランニング(税金)
所得税の計算の流れ、所得控除・税額控除、住民税の基本。
例:給与所得控除の仕組み、医療費控除、ふるさと納税。 - 不動産
売買・賃貸の基礎、法令制限の超基礎、住宅ローン、固定資産税。
例:表示登記/保存登記の違い、ローン返済方式、路線価の読み方。 - 相続・事業承継
贈与/相続の流れ、基礎控除、評価の考え方、遺言の種類。
例:相続税の課税価格、配偶者の税額軽減、暦年贈与。
用語ミニ解説
係数:将来/現在の金額を“時間価値”で換算するための数字(例:複利で増える分を一発で出す)。
分散投資:違う値動きの資産を組み合わせて“ブレ”を小さくする考え方。
基礎控除:課税計算の前に一定額を差し引けるルール。合否に直結する頻出ワード。
レベル感と合格のカギ
- レベル感:家計管理の“実務の基礎”。暗記+基礎計算で7割を取りにいく試験。
- 計算は配点効率が高い:複利・税の基礎・ローンは、取れると一気に得点が伸びる。
- 知識問題は“頻出語”を優先:団体や回が変わっても何度も出る定番を先に固める。
よくある誤解
- 「実技=計算だけ」ではない:設例文から事実を読み取り、制度の“適用可否”を判断する問題が多い。
- 「学科が受かればOK」でもない:両方で合格点が必要。
- 「団体の違いは関係ない」:設問スタイルが違うので、申込先に合わせた過去問が必須。
いまの自分に引き寄せる視点(来週受験向け)
- 学科:6分野を“広く浅く”でOK。頻出語+誤りパターンを潰す。
- 時間配分:迷い始めたら30秒ルールで一旦マーク→後回し。確実な1点を先に積む。
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